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常にクリエイターでいたいがアーティスト傾向が高い人間の考えまとめ。自分が読み返して、面白かったりタメになったりしていますように

普通は、受けた偏見は、他のジャンルの偏見の払拭の役に立てようとはしない。

なぜ90年代~00年代初頭は、アニメ・ゲームに対して差別的なまでに風当たりが強かったのだろうか?
その一例として90年代にフジテレビがお台場に引っ越した記念の特番として、フジテレビで人気のあった番組を、各ジャンルに分けて数回に渡って放送した企画があった。

そしてそれは当時放送中とか最新のものも確か放送し、「ドラマ」のジャンルの時は分け隔てなく放送していたが「アニメ」の時は、アルプスの少女ハイジ妖怪人間ベムは紹介していたのに、当時放送中のドラゴンボールZは一つも触れなかった。
今で言うとワンピースを全く取り上げないくらい、あり得ない事である。

こう言った昔の人気アニメはよく取り上げるのに、今の人気アニメはまるで無視と言うのはそのフジテレビの特番に限らない。

それにゲームに至ってはドラクエだろうとゲーセンだろうと、ただゲームをしているだけでオタクや根暗のレッテルを貼っているような風潮もあった。
こう言ったあんな時代に戻って欲しくないなと思うし(今も残っていると思うけど)、当分は少なくともないのだろう。

ただこう言ったバカにされていた時代が出来たのは、宮崎勤の事件があったからだとも聞いている。

当時としてはなぜか一般市民層を得ていたと機動戦士ガンダムみなしごハッチとかは、その宮崎勤の事件(まあ正直Wikipedia調べなんだけど)よりずっと以前のものだからバカにされない部類に入っていて、TVゲームのは事件の時期とやや被るからバカにされていたのだろう。

しかし妙に、宮崎勤の事件だけで片付けるには違和感がある事を、否定できない。
風当たりが強かったのは、それだけじゃないような気がする。

多分アニメやゲームに限らず「バカはバカ」「アホはアホ」と画一化して見ていたのもあるのだと考えられる。
昔、あるお笑い芸人が「踊る!さんま御殿!!」で「テレビに出る時みんなから見下されているのが分かる」と言う旨を発言している事があった。
今ではちゃんと芸人として重宝され、敬われていると思われるその芸人は、過去にそうやって発言をしているのである。
またガッツ石松がボクサーを辞めてバラエティー番組に出た頃、「ある外国人選手だけが(すいません名前、俺覚えていません)、ガッツ石松さんにそのような事をしたくないと言って弄るのを止めてくれた」と言う旨の発言を「スタシオパークからこんにちは」でしている。

つまりそれは「バカはバカ」「アホはアホ」とキャラクター化してて、良い一面をちゃんと見ようとしていないと言う事になると思うし、そう言う風潮を90年代は特に感じていた。
一度アニメやゲームを「根暗やオタクのもの」と決め付けてしまえばそこから思考は変えず、同じガンダムでも機動戦士Ζガンダムなら「何それ知らない。あなたオタク」となるわけだ。

宮崎勤の事件の報道で付いたイメージをそのまま変えずにし、それが事件について知らない人達には「アニメ・ゲームはださい」と言う風に行き渡ってしまった。
またアニメ・ゲームは子供向けと言うのも、大きくあるのだろう。
アニメ・ゲームでトラウマを小さい頃トラウマを植え付けられた人達が、大人になって攻撃すると言う側面もあったのかもしれない。

とこのように、アニメ・ゲームがバカにされてきた理由を考えてきたが、バカにされていた人達が同じ様にバカにされているものに対して、偏見の目を向けないと言うわけじゃないのも分かる。
有名な芸能人達もバカにされてきた過去を持つものが多くいるはずで、過去にそんな経験を持ってるから他のジャンルの偏見を無くしていくと言う風には、残念ながらならない。
あるとしてもアニメ・ゲームがやっとバカにされていない現状を迎えているのを考えると、すぐに払拭できるものじゃない。

しかしだからと言って、その芸能人達を特別に批判できるものなのだろうか?と思う。
私達の中にもバカにされてきた過去を持つ人が多く、その経験があるから、他の色眼鏡を掛けられているジャンルに対して何とかしようとする事は、自分が興味あるもの以外はしない。
むしろバカにしているかもしれないし、過去に受けた偏見と他のジャンルへの偏見は関係がない。

物事の評価は必要な部分もある思うし必ずしも褒める必要とかは全然ないけど、「バカはバカ」「アホはアホ」と変にキャラクター化しないように、偏見の目で見ないように気を付けたい所である。