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常にクリエイターでいたいがアーティスト傾向が高い人間の考えまとめ。自分が読み返して、面白かったりタメになったりしていますように

(ショートショート)魔王の助言役(1275文字)

-ストーリ--
魔王の片腕的存在として数々の相談を受けるロクアシヌ。
魔王の奥様である魔妃から打ち明けられた真実とは!?

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おお、神父さま!
やはり人間界の神父様。高貴かつ清潔な匂いが感じられる。
お願いがあります。是非私の懺悔を聞いて欲しいのです。
私はこの姿形の通り人間ではありません。魔王様の部下なのです。
私は魔王様の助言役として数々の相談、伝言を行ってきました。それがある日このような相談を受けたのです。
(ほの暗い部屋、不気味な装飾がされている一台のベットがある。)
私は魔王様の奥様となる魔妃様に呼ばれてここを通されました。
そして魔妃様から次のことを聞かされました。
「ロクアシヌ。あなただけに打ち明けたい事がある。よく聞いて
今、私のお腹の中には赤ちゃんがいる。もうすぐ産まれるわ
けれどそれは、魔王様の子供ではない。別の魔物との間にできた子どもなの
魔王様は自分の子どもだと思って喜んでいる
私はそれを見て余計に誰にも言えず、今まで苦しい思いをしてきた
しかしあなたにだけは、どうしても真実を打ち明けたくなった
そしてお願い。この事は誰にも言わないで」
私は大変胸が痛みました。
恐らく魔妃様は、他の魔物と交わりたくなかったはずです。
魔妃様は素晴らしい方です。魔妃様が外に出られると幼い魔物の子供から高位に位置する魔物まで、誰もが笑顔になります。
その魔妃様に気持ちを打ち明けられたのなら、尊重しなければいけません。
しかし、その気持ちが揺れ動く出来事がありました。
ある日私は魔王様に命令され、気づかれないように人間界を視察しました。
するとそこには溢れんばかりの子供たちの笑顔がありました。
そしてこう思いました。
『魔王様にその事を言おうか?』と。
魔王様に力で叶う者は私も含めて誰もいません。
しかし、その事を言えば絶対に魔王様は動揺されて、作戦に支障が出る。
動揺されて思うように力が出ない魔王様なら、人間に確実に倒されます。
しかし、それは魔物界を滅ぼす行為に等しい。
しかし言わないと、この美しい世界は滅ぽされてしまう。
その葛藤を心の中で繰り返しました。
私は視察の報告を魔王様にする時、魔王様が作戦の準備で魔妃様の様子が見られない代わりに、魔妃様のことも決心が付かないまま告げました。
「魔王様との間にできた子どもは、
お腹の中でお父さんの活躍を大変喜んでおられるとの事です。」
それを聞いて魔王様はとても喜んでくれました。
そして誰にも知らされないまま、魔王様の子どもとして赤ちゃんが産まれました。
その後魔王様は以前にも増して破竹の勢いで、人間界を次々と滅ぼし始めています。
おお!神父さま、申し訳ありません!
ここも明日滅ばされる手はずとなりました。
しかし神父さま、一つだけ気づいたことがあります。それはこの人間界を滅ぼして魔物界に変えても、魔妃様の周りのように笑顔で溢れると言うことです。